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◆設計概要:Project Data |
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昭和33年建設の上川支庁舎及び隣接する各庁舎の老朽化に伴い、市内中心部から旧上川農業試験場跡地の永山地区へ移転し、総合庁舎(上川支庁をはじめ8部局)として、改築した庁舎建築である。この計画に当たって、大雪連邦を控える恵まれた自然環境の中、将来、庁舎の前庭部分に、出逢いの空間舞台として上川らしさを“木”と“水”をテーマに表現し、高木群立のイメージを再現する「かみかわ100年の森」構想の整備計画を想定し、“森と水に囲まれた出逢いの合同庁舎”として計画が進められた。
この合同庁舎は、前庭となる「かみかわ100年の森」から始まり、〜エントランスホール〜道民ホール〜中庭〜せせらぎロード〜大雪連邦への遠景〜へと一連の空間のプロセスを重要と考え、中庭を合同庁舎の中心の軸として施設展開を図った。建物の一辺を短く抑えることや、片廊下方式による外部空間との関連性も強く、圧迫感のない親しみやすい、変化に富んだ、明るく快適な内部空間の醸出が図れ、最も良質な建築の可能性が持てるものとした。三層吹抜の道民ホールは、テンションロットガラスクリーンを介し、中庭へ開放される内外空間領域の一体性に努め、中庭に面する2階から4階までの廊下は、庁舎内の移動時には常に建物との位置関係が視認されることや、道民ホールの大空間に架かるブリッジからの眺望や光の交錯するコントラストなどの景観を楽しめる回廊でもある。内部仕上げ材は、自然を人の手で感じられる素材として、地場産木材を使用。床材は、延べ床面積の39%、壁材に於いては壁面積の20%を多用した。
外観は、旧上川農業試験場庁舎を模範とした赤煉瓦調の重厚さを継承し、金属、ガラス、コンクリート素材と調和するデザイン構成で、親しみのある地域に開かれた道政執行の舞台として魅力ある庁舎を醸出した。 |